ファックスの発明も戦前の日本人だったんですね
ファックス、ずいぶん懐かしい響きになってきましたね
昔は何かというとFAXだったのにね
ファックスの発明
ファックスの原理は19世紀中頃、イギリスのエジンバラ・ベインという時計技師が考案
ただ、長い間機械自体は製作されなかった
1920年代になって
ドイツのシーメンス社、フランスのベラン社が挑戦
でも、両社とも、対象物が何か分からないほどぼやけていた
実用に成功したのは、日本電気(現NEC)の技術者、丹羽保次郎(にわやすじろう)を中心とする開発チーム
日本電気は、大正時代末の関東大震災で、社屋全壊、技術者も多数無くなって
壊滅状態になっていた
そこで、丹羽さんがスカウトされ起死回生をはかる
開発
丹羽チームがファックスの開発で画期的だったのが
ファックスの要の部分に「電磁オシログラフ」を使ったこと
電磁オシログラフ自体は、電気信号の波形を測定するもので
電気研究では普通に使われていた
でもファックスに使えるという発想は誰もしていなかった
なるほど、そこで使うかーっ
ってことでしょうね
昭和3(1928)年、遂に完成
その時テストに使われたのは、松竹キネマのマドンナ松井千枝子のサイン付きブロマイド写真
同1/16に特許も申請
ところが、そんなすごい発明を日本人がしているとは思わなかったんでしょう
マスコミをはじめとして、誰にも注目されなかった
でも、やっぱりすごい発明
一躍脚光を浴びる時がまもなくやって来ます。
昭和天皇即位式
同じく昭和3年の11/6に昭和天皇即位式が行われることになります。
新聞各社は式の模様をいち早く詳細に報道しようとしのぎを削ることに
式は京都なので、東京にどうやって写真を送るか
欧米で開発されたばかりの写真電送装置があるらしい
それっ
朝日新聞と電通は共同でドイツのシーメンスの装置を購入
朝日のライバルの大阪毎日新聞と東京日日新聞は共同でフランスのベラン社から
フランスから技術者に来てもらって電送試験
ところが
何ですかこれは
天皇陛下のお姿を写すのですぞ
宮内庁が大激怒で却下
大阪毎日新聞は藁にもすがるつもりで
日本電気から購入
ギリギリの二日前でした
日本電気の丹羽さんチームが京都と東京の二手に分かれて待機
当日
午前7時10分天皇陛下を乗せた馬車が出発
その2時間後には、東京と大阪で号外
朝日新聞の写真とは比べ物にならないくらい
きれいな画像でした
かくして、日本電気のファックスは世界に知れ渡ることになります